涙点プラグ挿入、涙点閉鎖(ドライアイ)
ドライアイとは?
ドライアイは、様々な原因から眼表面の涙液が安定しない状態を言います。
自覚症状も、代表的な目の乾きに加え、疲れ、痛み、痒み、涙、不快感など様々あります。
自己免疫疾患などに併発するドライアイは重症化しやすく、目薬だけでは症状を抑えることは難しく、手術が必要になることもあります。当院では「涙点プラグ挿入術」や「涙点閉鎖術」を行なっており、ドライアイが少しでも気になる方は受診をおすすめします。
ドライアイの症状
- 目が疲れる
- 目が痛い
- 目が赤い
- 涙が出る
- 目が乾いた感じがする
- かすんで見える
- 目が重たい感じがする
- 目に不快感がある
など。
ドライアイの原因
ドライアイとなる原因は2つあり、涙の量が減る「涙液減少」と、涙の蒸発量が増えることにより、目が乾きやすい状態になる「涙液蒸発亢進」があります。
環境要因ー3つのコン(パソコン・エアコン・コンタクトレンズ)
仕事などパソコンでの作業に集中しすぎることによる瞬きの減少や、エアコンの効いた室内にいることによる目の乾燥がドライアイの主な原因となります。
またコンタクトレンズの装着により目の水分の蒸発量が多くなり、加えて、コンタクトレンズとの摩擦により(特にソフトコンタクトレンズ)炎症が起こる場合もあります。
加齢
加齢に伴う涙液の量の減少、また涙液の組成分が変化し、質も落ちてしまいます。
薬の副作用
抗コリン作用のある向精神薬や風邪などに効く感冒薬の服用で涙の量が減る場合があります。また目の炎症を抑える点眼液の影響で角膜が傷つくこともあります。
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群とは慢性関節リウマチなどに合併しやすい自己免疫疾患の1つであり、涙腺・唾液腺の組織が破壊される疾患で、涙と唾が出なくなってしまします。特に中年の女性に多いと言われています。
スティーブンス・ジョンソン症候群
スティーブンス・ジョンソン症候群とはウイルス感染や薬剤によるアレルギーが原因となり、全身の皮膚・粘膜に異常が起こる症状です。これが重症のドライアイの原因となり、目の表面に強い炎症が起きてしまいます。
重症のドライアイの手術
当院ではドライアイの手術も行なっています。
しかし、すぐに手術を行うことはなく、当院では先ず患者様の意思を尊重し、手術を行うべきかどうか、どのタイミングで手術を受けるかなどを決めてから行うようにしています。
通常ドライアイが軽症であれば点眼薬を用いて様子を観察いたしますが、重症のドライアイである場合は点眼薬では十分な効果を得られないため、手術を行う必要があります。
当院では「涙点プラグ挿入術」「涙点閉鎖術」を行っており、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しております。
涙点プラグ挿入術
涙点プラグ挿入術とは、重症のドライアイに効果がある手術です。
涙は通常、瞼の外側にある涙腺でつくられ、目を潤した後に眼頭にある涙点を通って、涙小管、涙のう、鼻涙管、鼻腔へと排水されます。
涙点プラグ挿入術ではこの涙点にシリコン製のプラグを挿入することで、涙点に涙をためて目を潤します。
涙点は両目の上涙点・下涙点と2か所に存在し、それぞれの涙点の大きさを見て、ドライアイの症状がどの程度なのかを確認し、どの涙点にプラグを挿入するのかを決めます。
ペンのような専用の器具を使い、涙点にワンタッチで簡単に挿入できるため、痛みはほとんど感じません。
また、涙点プラグ挿入術を行うことで、患者様によっては涙が溢れすぎてしまう場合がありますが、プラグは外すことができるので安心してください。
涙点閉鎖術
涙点プラグ挿入術が行えない、プラグの大きさが合わない、炎症が起きてしまう、重症のドライアイが長く続く場合は涙点を半永久的に閉じる涙点閉鎖術という手術を行います。
こちらは簡単に涙点を戻すことができないため、患者様にとって十分適応症例かどうかを見極めて手術を行います。