
メディカルノート
黄斑前膜は自然治癒する?手術のタイミングについて
黄斑前膜と診断された方の中には、経過観察で過ごすことから「自然治癒するのでは?」と疑問を感じている方がいらっしゃるかもしれません。
黄斑前膜の進行はゆっくりのため、見え方に慣れてくると自然に治ったと感じることもあるでしょう。
そこで今回は、黄斑前膜の自然治癒と治療を受けるタイミングについて解説します。
黄斑前膜とは
黄斑前膜(おうはんぜんまく)は、眼の神経である網膜の真ん中の黄斑にセロファンのようなうすい膜が張った状態の眼の病気です。
前膜が収縮すると網膜にしわができるため、視界がゆがんで見えたり、膨らんで見えたりといった症状が現れます。
比較的ゆっくりと進行する病気のため、片方の眼に症状が現れていない場合は進行に気が付かないことも少なくありません。
黄斑前膜は自然治癒する?
黄斑前膜は、症状が軽く日常生活に支障がない場合は、経過観察でも問題ないケースが多い病気です。
しかし、自然治癒することはなく、点眼や内服薬などによる有効な治療方法もありません。
見え方の異変が強くなるなど症状が進行すれば、硝子体手術を受ける必要があります。
手術を受けなくても失明する心配はありませんが、視力が低下してゆがみなどがひどくなるため、生活に不便を感じるようになるでしょう。
手術を受けるタイミングは?
黄斑前膜はどのタイミングで手術を受ければいいのか、一概に定められた時期はありません。
黄斑前膜を除去したあとも正常な形態には戻らないため、ある程度のゆがみや視力の低下は残ったままです。
しかし、そのまま放っておくと見え方に異変が生じて、日常生活や社会生活に支障がでることも少なくありません。
ここでは、黄斑前膜の手術を決めるタイミングを解説します。
タイミング①:変視の程度
黄斑前膜は急に進行する病気ではないため、私生活に問題がなければ経過観察をするケースも少なくありません。
しかし、日常生活や社会生活で支障がでるほど見え方に異変がある場合は、手術を検討するのが望ましいでしょう。
また、変視は縦線と横線であれば、日常生活で見る文章の多くは横書きのため、横の変視の方が自覚しやすくなります。
視神経乳頭の関係により網膜は横向きに変形しやすいため、手術によって横線のゆがみは改善しやすいといわれています。
タイミング②:光干渉断層計(OCT)の所見
光干渉断層計(OCT)とは、網膜を痛みや障害と伴うことなく(非襲撃)検査できる機械です。
光干渉断層計(OCT)の検査はステージ1~4に分類され、ステージ3以上であれば視力予後が悪いということが分かっています。
黄斑前膜の牽引によって網膜の中心部(中心窩)の陥凹が消失している場合や、網膜の内側や外側に影響がでている場合は、手術を勧めることが多くなります。
タイミング③:他の病気の有無
黄斑前膜以外にも、加齢によって引き起こされる白内障を患っている方も少なくありません。
白内障はいずれすべての方が手術を受ける病気のため、黄斑前膜があれば白内障の手術と同時に受けることで、手術の負担やハードルが低くなるでしょう。
また、緑内障を患っている方や、強度近視、ぶどう膜炎がある方は、手術による合併症などを考慮してタイミングを決めなくてはなりません。
医師とよく相談して黄斑前膜の治療を受けましょう
黄斑前膜の治療は手術しかなく不安を覚えるかもしれませんが、日本国内でもたくさんの方が受けている手術です。
手術時間も30分ほどと短く日帰り手術が可能で、必要に応じて消毒のために数日間の入院を勧められることがあるかもしれません。
黄斑前膜の治療は手術をしてもある程度の症状が残ってしまうため、手術を受けるかどうか、受けるならばタイミングはいつにするかなど、医師とよく相談してから決めるようにしましょう。
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