翼状片はすぐに治療が必要な疾患ではないため、点眼薬で経過観察をすることも少なくありません。

なかには、点眼薬で症状が改善されて「治ったのでは？」と感じている方もいるでしょう。

そこで今回は、翼状片の自然治癒や、治療を受けるタイミングについて解説します。

翼状片と診断された方は、ぜひ参考にしてくださいね。

翼状片とは

翼状片（よくじょうへん）とは、白目（結膜）の組織が黒目（角膜）の中央に向かって、三角形の血管を伴った異常な増殖組織が侵入する病気です。

常に目が充血しているように見えるため、心配になることもありますが、翼状片は良性腫瘍のため「ほくろ」と同じような類です。

一般的には鼻側に生じることが多いですが、耳側に生じることもあります。

白目（結膜）の組織が黒目（角膜）に侵入する様子が、鳥の翼に似ていることから「翼状片」と呼ばれるようになりました。

翼状片は自然に治る？

翼状片は良性腫瘍のため、無症状のうちは放っておいても大きな問題になることはありません。

目のごろつきや充血、炎症などの症状がひどい場合は、ステロイドの入った点眼薬で症状を緩和させて様子を見るようにしましょう。

ただし、点眼薬は症状を緩和させることが目的のため、翼状片が根治されるわけではありません。

自然に治ることもないため、症状の進行具合を観察しながら、適切なタイミングで治療を受けるのが望ましいでしょう。

翼状片の治療を受けるタイミングは？

翼状片の先端が瞳孔近くまで伸びてくると、白目（角膜）が引っ張られて乱視が起きたり、視力が低下したりします。

そのため、翼状片が白目（角膜）の1/3程度を超えたあたりで、手術を検討する必要があるでしょう。

進行したままの状態で放置してしまうと、手術後の視力に影響が残ってしまうことがあります。

翼状片の症状が現れたら、適切なタイミングで治療が受けられるよう、経過をよく観察しながら過ごすようにしましょう。

翼状片の治療方法

翼状片の治療は、白目（角膜）から翼状片組織を丁寧に剥がす外科的切除手術を行います。

手術後は、目のゴロゴロ感や充血を伴いますが、抜糸をすると症状が軽快し、目の充血も1ヶ月ほどで改善します。

初期の段階であればほとんど悪影響がないため、治療をせずに経過観察をすることが多いでしょう。

症状を緩和させるために点眼薬を用いますが、翼状片の進行を止めたい場合や、小さくしたいと考える場合には、手術を検討する必要があります。

また、それほど症状が進行していなくても、予防的・美的観点から、手術を検討する方も少なくありません。

いずれにせよ、放置してしまうと視力に影響を与えてしまうため、手術を受けるタイミングについて医師とよく相談することが大切です。

手術後の再発リスク

翼状片は、角膜を除去するだけでは再発しやすく、特に若い世代では手術後の再発が多く見られます。

翼状片ははっきりとした原因が分かっていない病気のため、有効な予防法が確立されていません。

そのため、必要に応じて再発を防止する処置として、切断した角膜の末端部分にご自身の正常な角膜を移植したり、マイトマイシンCという細胞増殖を抑制させる薬を塗布したりすることがあります。

年代や症状に応じて予防処置の方法も異なるため、医師とよく相談しながら治療を受けるとよいでしょう。

症状に心当たりがある方は眼科の受診を

日ごろから目視で白目（結膜）が充血していないか、白目（結膜）から黒目（角膜）へつながる濁りは見られないかをよく観察してみましょう。

初期の段階ではほとんど症状はありませんが、進行すると視力に影響を及ぼすこともあります。

目の異物感や充血などが気になる場合は、なるべく早めに眼科を受診するようにしましょう。

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