網膜剥離は事故などによる外傷で急に発症することもあり、放置すると失明に至るケースもある病気です。
大切な目に違和感を覚え、その症状が頻繁に起こるようであれば、眼科医に網膜剥離について相談することをおすすめします。
そこで今回は、網膜剥離の症状・原因、注意が必要な人の特徴について解説します。
網膜剥離とは
眼の網膜は光を感じてそれを伝える神経網膜と、その土台になっている網膜色素上皮の二層に分かれています。
神経網膜がその下にある色素上皮から剥がれてしまい、視力が低下するのが「網膜剥離」です。
網膜の剥がれは痛みを伴わないため気が付きにくいですが、前兆として飛蚊症が現れるケースがあります。
網膜の中心部である黄斑部分まで剥がれてしまうと、急激に視力が低下して最悪のケースでは失明に至ることも少なくありません。
こんな症状は網膜剥離かも・・・
次のような症状があれば、網膜剥離を起こしているかもしれません。
- 白い壁を見ると蚊のような影やゴミが見える
- 目を動かすと視界の隅に閃光のようなものが走る
- 目の前に雲のようなモヤが浮いているように見える
- 視野全体に暗いカーテンがかかったように感じる
網膜剥離はどんな年代の人にも生じる可能性がある病気です。
目の見え方に異変を感じたら、できるだけ早めに眼科を受診するようにしましょう。
前兆の症状①：飛蚊症（ひぶんしょう）
飛蚊症とは、白い壁などを見ているときに蚊のような黒いものが動いて見えたり、ゴミのようなものが見える状態のことです。
黒いものの形状はさまざまで、視線を動かすと追いかけてくるような動きをすることもあります。
飛蚊症はあらゆる年齢層に起こります。
前兆の症状②：光視症（こうししょう）
網膜剥離の前兆として、光視症が起こるケースもあります。
光視症とは目に光があたっているわけでもないのに光を感じる症状で、目に原因がある場合と頭に原因がある場合はがあります。
突然、視野の一部に一瞬もしくは数秒間ピカピカ・キラキラした光が見えるようになったら光視症が疑われます。
網膜剥離の原因
網膜剥離の主な原因は、さまざまな要因によって網膜が裂けてしまう（網膜裂孔）ことが原因です。
この網膜裂孔による網膜剥離を「裂孔原性網膜剥離」といい、硝子体と網膜の癒着が強い部分で裂孔が起こりやすくなります。
もともと硝子体は無色透明のゲル状の液体であり、加齢とともにサラサラした液体とベトベトした液体に分離して少しずつ容量が減ってしまいます。
そこに網膜が引き込まれてすき間ができ、裂孔原性の網膜剥離が起きてしまうのです。
網膜剥離の注意が必要な人は？
アトピー性皮膚炎のある人
未熟児で生まれたり、遺伝性の目の病気に続発したりして、小児期に網膜剝離が生じることがあります。
なかでも、アトピー性皮膚炎があり目の周りの皮膚炎が重症な人に多く見られ、かゆみのため目の周りを何度もこする習慣があることが原因と考えられています。
激しくぶつかり合うスポーツをする人
網膜剥離はスポーツによる衝突などで受けた頭部・目の物理的なショックが原因になることもあります。
顔面や眼球に大きなショックを受けていなくても、継続的に長い間身体や頭部に振動を受けるスポーツをしている人は、注意が必要です。
眼内手術を受けたことのある人
白内障手術などの眼内手術を受けたことのある人も、眼内の環境が変化することで網膜剝離を引き起こすことがあります。
手術後に目の見え方が変わった場合は、担当医による眼底検査などを受けるようにしましょう。
網膜剥離は早期発見が治療のカギです
大切な目を守るためには、見え方の変化や違和感を覚えたら、すぐに眼科を受診することが大切です。
定期的な検査を受けておくと、より早期発見につながるでしょう。
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